こんにちは、こもりです。
今回のテーマは「ミニマリストって、貧乏くさくない?」という疑問にお答えする記事でございます。
まず結論から言いますと、決してそんなことはない。むしろ「少ないことはより豊かである」ということです。
それでは、ミニマリストの人が求める本当の豊かさとは、どんな考え方なのか、一緒に見ていきましょう。
ミニマリストが目指す「清貧」とは?
まず、はじめに紹介したいのは、「清貧」と言う言葉です。
「貧乏」というのは、お金がないから、質素にしか暮らせない状態。そして「清貧」というのは、自ら選んで、質素に暮らしている状態のことです。
ミニマリストが心掛けているのは、この「清貧」の方です。
資産をたとえ沢山蓄えていようとも、質素に、等身大に暮らす。そして本当に価値のあるもの、自分の大切なものだけにお金を掛ける生活。
これが、多くのミニマリストの目指すお金の使い方です。
ミニマリストは貧乏?
ミニマリストの中には、もしかしたら、お金がそんなにないから、ミニマリストになることを選んだ人もいるかもしれません。
しかし、最初こそ持たざるものだった人も、ミニマリストになってから、だんだんと貯金が貯まるようになったという人もいます。
これは、ごく普通と思われている、平均的だった収入の人でも、ミニマリスト的に生きたら、お金持ちになれる可能性があるということです。
見かけじゃ豊かさは測れない
家は沢山のモノに囲まれていて、ブランド物を身に付けているけど、お金はそんなに持っていない人。
家や服装は質素だけど、資産はたくさん持っている人。
どちらが豊かなのでしょうか?その答えは、もしかしたら考え方によるでしょう。
ですが、
ユニクロの服などを素っ気なく着ているおじさんが、実は資産1億円を超えているなんてことが、世にはあります。
もしかしたら、他の人が見栄を張って、高級時計や車を手に入れている中、質素な等身大の暮らしを続けて、地道に貯金や堅実な投資をしてきたのかもしれません。
誰がお金持ちか、誰がお金をあまり持っていないのかなんて、見た目で判断できないものなんです。
それに、ブランド物を沢山持っていても、心が豊かかどうかはわかりませんよね。
少ないことは、より豊かである
たくさんのモノを持っていれば、豊かというわけではない。それでは一体、「豊かさ」とは何なのでしょう。そのヒントになり得るのが、この考え方です。
「Less is more」
これは、「少ないことは、より豊かである」という考え方です。
ドイツを代表する建築家の一人ミース・ファン・デル・ローエによって広められた言葉です。
余分なモノをそぎ落とすことによって、豊かさが際立つということ。
本当に大切なものを大切にするために、少なく持つ。この考え方は、ミニマリストの精神にも通ずるところがあります。
余白のある部屋は、豊かさの象徴
また、テレビドラマなどでは、裕福な人の家は物が少なく、余白のある空間に描き、一方で、貧しい人の家は物で溢れている部屋に描くということを、ミニマリストに興味のある方は、聞いたことがあるかもしれません。
このように、物の少ない少数精鋭の暮らしは、貧乏くさいどころか、むしろ、より洗練された豊かな暮らしの象徴なのです。
「貧乏くさい」と思ってしまう理由
それでは、ミニマリストを「貧乏くさい」と思ってしまうのは、なぜなのでしょうか。
ミニマリストがあまりにも質素な生活に見えるから
SNSなど、メディアで見かけるミニマリストは、とても極端に質素に見えることがありますよね。
例えばですが、
・狭い部屋に住んでいる
・家具や家電も最小限だから
・シンプルで質素な服装をしているから
・食生活さえも、質素にしているから
ちょっと、一般的な生活をしている人では考えられないような点もたくさんあるからだと思います。
しかし、一時期、他人から「貧乏くさい」と思われてしまうような、極端すぎる生活を試していても、その後は、少しの自分が快適に過ごせる家具を足したり、自分が居心地の良い空間づくりに取り組んでいく人が多いです。
はじめに減らしきって、固定概念を剥がしきることが大切で、そのあとは、適宜必要なモノを足して、「大切なもの大切にする」自分らしいスタイルを作っていきます。
ミニマリストや節約を楽しめる人というのは、はじめ極端に減らすということも、すべて実験として、ゲーム感覚でやっているのだと思います。
「モノが多い=豊かさ」という思い込み
また、そもそも私たちは、「モノが多い=豊かさ」という価値観の中で生きてきました。特に年配の方ほど、それが当たり前でした。
しかし、ここ10年くらいで片付けブームが起こり、世の価値観が急に変化し、なんとなく片付けに興味がありつつも、「モノを減らしたら、他人から貧乏くさいと思われるのではないか」という不安が生まれているのかもしれません。
長年積み重ねてきた考え方を、急激に変えることは難しいです。もし心のどこかで、物を減らすことに興味がある方は、「少ないことの豊かさ」を知ることで、少しずつ自分に馴染ませていけばいいと思います。
「貧乏くさい」と思われないようにするには
ミニマリストに興味はあるけれど、やっぱり他人には貧乏くさく思われたくないという人もいると思います。
その場合も、「貧乏くさいと思われないようにする」ためではなくて、自分のためにやれることをやっていくのがいいと思います。
私は美容院が嫌いなので、ついつい、髪の毛先が傷んできているなとか、気づいているけど放置してしまうことがあったんです。
でも、そういうときって、「自分を大事にしていないな」と自己肯定感が下がる感じがするんです。だから、そういう心の声を無視しないことです。
「自分が心地よく過ごせるように、清潔な洋服を着る」
「1日のはじめに自分にスイッチいれるためにお化粧をする」
など。
自分が「心地よくいられる」とか、「気分が上がる」、そんな身だしなみの整え方をするのがいいと思います。
服を少なくしたなら、その分その服には目を配り、今の自分が心地よくいられる服なのかを意識するとか。
他人にどう思われるかばかり気にしていると、いつまでも他人軸から抜け出せなくて、それはそれで苦しいです。
だから、他人のためにというより、自分を大切にするために、自分をケアする時間を作ろうくらいの気持ちでいいと思います。
ミニマリストもやり過ぎは禁物
物を減らしていく中で、それぞれに合う部分と、合わない部分が見つかると思うんです。
服を減らしても何も思わないけど、食事は楽しみたいとか。逆に食にはあまり興味ないけど、おしゃれは楽しみたいとか。部屋だけは、おしゃれでいたいとか。
なんでもかんでも減らすのが正解なんじゃなくて、自分にとって大事な部分、強調したいところを探すのが、ミニマリズムの探求なのだと思います。
やっぱり自分でひもじいなって思うことは、なかなか続けていても苦しいと思います。自分を大切にしないと、自己評価も下がります。無理な節約が続かないように、苦しいミニマリズムはよくないです。
物を減らすことに固執しすぎて、苦しさを伴うのなら、あなたにとって、楽しく幸せに生きるための方法ではありません。そうなってしまっては、ミニマリストというものは豊かさとは遠いものになってしまいます。
まずは自分を満たすところから
たしかに、ミニマリストの生活は、人によっては「貧乏くさい」「ケチ」や「みっともない」と映るかもしれません。しかし、それは表面的な見方にすぎません。
ミニマリストになる人の中には、心にモヤモヤを抱えていたり、片づけられない性格や、生きづらさを抱えていた人も少なくありません。
そんな状態から、当たり前を疑って、あらゆるしがらみを剥がしていくと、見えてくる豊かさがあります。
私も生きづらさを感じて生きてきた一人です。
自分の持っていないものをまざまざと感じることがあると、どうしようもなく人を妬む気持ちが湧いたり、普通とは違うという事実が辛くて孤独を感じてしまうことがあります。
しかし、ミニマリストになり、「私はもう、自分の幸せに必要なものはみんなもっているんだ」と思うようになりました。
そうしたら、「私なりに自分の出来ることをやって生きていこう」と思えるようになり、他人を妬む気持ちが減りました。
他人と比べてしまったら私なんて目も当てられないですが、自然と自分に矢印がむき、自分らしく努力したいと思えるようになりました。
まずは自分を満たさないと、人を妬んだり、必要以上に自分を大きく見せたりしてしまいます。「自分はこんなに頑張っているのに、誰もわかってくれない」という孤独な気持ちも生まれてきます。
今、もやもやとした気持ちや、生きづらさを抱えている人で、自分を変えたいと思ったなら、まずは他人からの目は一旦忘れて、思いっきり自分本位に、自分のために、自分を縛っている思い込みを剥がすことから始めてみてください。
そして、自分を大切にしてあげてください。今まで頑張ってきたこともたくさん自分で誉めてあげてください。それで、もし興味があれば、今の自分にとって必要のないものを手放してみてください。
自分にとっての必要十分な幸せを知ることで、心は満たされ、その先に、自然と人に分け与えたいという気持ちが湧いてくるかもしれません。
最後に
今回は、「ミニマリストは、貧乏くさい?」というテーマで書いてきました。
一時期メディアで一世を風靡した、極端なミニマリストを目指すことが、別に正解とは思いません。
しかし、だんだんと世の流れが、モノの多さで豊かさを判断しなくなってきているのは事実。
そして、物を所有しないことは、「貧乏くさい」どころか、あらゆる豊かさ(時間・自由・お金・少数精鋭で整った部屋・やるべきことの明確化など)を連れてきてくれるという考え方が、徐々に広まっています。
あなたが心のどこかで感じている不安は、私たちが長年信じてきた、従来の価値観が揺らいでいるサインなのかもしれません。
より少ないものならば、ちゃんと大事にできる。他の物に埋もれず、自分の大好きなモノをちゃんと大切にする暮らし。
そうした等身大の少数精鋭の暮らしは、自分自身を大切にすることにつながります。そして、自分のコップを満たした後、そこで生まれた余裕が、誰かのためを想うことにもつながっていきます。
以上、こもりでした。
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